第5話「ウソ×ホント?×キリコ」

※注意点
このシリーズはハンターハンターのアニメを深読みして、自分なりの感想をまとめたものになります。
そのため、主観的な意見が多く、証拠や根拠はあまりありません。
私が見て感じたことや気づいたこと、大切だと思ったことなどを正直に書いているだけのものですので、
十分理解した上で読まれることをおすすめします。
こういった感情や見方で見る人もいるのだと思っていただけたらば幸いです。

Aパート

・トンネルの先は湖で、ボートを使い渡ることにする3人
 水漏れしていることがわかり、クラピカに頼まれレオリオは自分の上着を脱いで水漏れを防いでくれる。レオリオは身だしなみを一番気にしているような人物で描かれてきていたが、ここでは上着を使うことを自ら選択し、それも文句も言わずやってくれるところに、やるべきことや頼まれたことはきちんとこなす性格が表れている(ここの頼まれたことをやり遂げる、という部分がクラピカが後に偽物を殴るシーンと繋がる)
 「どうしたらナビゲーターに認められるんだろう?」とのゴンに、「ゴンなら、ゴン自身の持っている一番優れたところをアピールすることだ。自分で気づいていないだけで、ゴンには優れたところがいっぱいあるさ」と返してあげるクラピカ。ただの励ましでないことは、これまでの物語を見ていれば、視聴者は誰もが納得する言葉で、クラピカはこの時点でゴンのことをかなり評価していると考えられる。

・(ギャグシーンではあるが)大きな湖をフルパワーで一瞬で渡り切るレオリオ
 これまでも腕っぷしなどが強調される場面はあったが、オール捌きという筋肉の難しい使い方が要求される場面でも、あれだけのスピードとパワーが出せるということには目を見張るものがある。

・古代スミ族の遺跡を見つける
 ここで、すでにクラピカの古代史や語学力の高さが窺える。また、「スミ族」のことを先に持ち出すことで、のちの妻の刺青と関連を持たせ、「スミ族」という言葉が唐突に聞こえないように配慮されていると言える。

・森の中を歩く3人
 魔獣が出てこないか気にしているのか、周りを気にしつつ、2人の背後を歩くレオリオからは、「視力の良いゴンを先頭についていくしかない程の森の暗さ」と「レオリオは2人をサポートできて一番危険な後ろを歩いてくれる」の二つの描写が読み取れる。
 クラピカが「しかし、この暗さでよく見えるものだな」とゴンに感心を示す。
 ゴンは「うち、夜は真っ暗だったしさ」とのこと。
 自然の中で育ったゴンは夜目もきき、ゴンがいかに頼りになるかが改めて描写されている。

・ナビゲーターの家に到着。キリコに夫婦が襲われているところを発見
 すぐに武器を構え、突入する3人。
 しかし3人を吹き飛ばし飛び去るキリコ。
 一瞬で受け身をとり、後を追うゴン。
 すぐにその跡を、レオリオに指示を出してから追いかけるクラピカ。
 応じるレオリオ。
 出会って間もないというのに、3人の連携が見事に取れており、この流れは美しくすらある。

・キリコを追う2人
 クラピカ「この闇に閉ざされた森の中で魔獣のかすかな影を捉えられるなんて」「大したやつだ」後者の大したやつ、とは影を捉えられることへの賛辞と木々の間を縫うように飛ぶように動く、ゴンの俊敏性の二つを評価していると考えられる。既にクラピカからの高かった評価がさらに上がったと見える。
 キリコを追う最中、キリコがゴンに話しかけてきたことで「すごいよ、あいつ喋ったよ!」と興奮気味にゴンはクラピカにいう。喋ったキリコに恐れを抱くどころか、びっくりして逆に喜んでいるかのようなゴンの反応の意外さが面白いシーンだ。
 クラピカはゴンにキリコの特性を教える。すると、ゴンは言葉が通じるなら話が早い、とこちらも「言葉」を使って奇襲をかける。この発想はゴンならではといえ、高知能をもつ魔獣なのだとわかっても、物怖じせずその知能を逆に弱点に変えてしまえるゴンは、やはり発想能力の転換がかなり高いと言えるだろう。

Bパート

・夫の看病をするレオリオ
 自分の持っている薬を惜しげもなく、しっかり人の役に立てられる描写から、レオリオが言外に「ただの金欲しさにハンターになろうとしているわけではない」ということを示しており、今後の話で明かされる本当の理由の伏線になっている。
 さらには、化膿止めが足りない、と魔獣を恐れず森の中へ取りに向かおうとする。そして妻を案じる夫に対して「ゴンとクラピカの2人が居ってるんだ。あの2人なら大丈夫。おっつけ帰ってくるさ」と励ます。この言葉からも、3人の絆の深さが大きく、既に仲間として信じあうことができてきていることがわかる。

・キリコを見抜くクラピカ
 「私は怪我人をレオリオに頼み、レオリオはそれを承知した。その怪我人を置いてのこのこ現れるような奴には同じ鉄槌を喰らわしたといっているんだ」
 クラピカが「約束」を大切にしているとわかる言葉。頼まれたことはきちんとやり遂げる、それが人の基本であり、クラピカの善悪の基準というべきか、彼なりのポリシーがあるとわかる。(これは0巻から一貫している。パイロとの「約束」が胸の中で未だ褪せることなく心に残っているからこそであると思われる)

・キリコの違いがわかるゴンと3人への評価
 キリコの夫婦を見分けたゴンに「嬉しいねぇ」と気にいるキリコたち。この件もあって、ゴンとは特に仲良くなり、後にキルアを歓迎することに繋がる。
 博学さに感服されたクラピカと、傷への的確な応急処置と、力強い励ましの言葉をかける優しい心根を見せ、さらに洞察力を持ったレオリオ。そして、夫婦を見破った観察力と人間場離れした身体能力のゴン。3人は的確に評価され、キリコに試験会場まで案内してもらえることになった。

まとめ

 今回はナビゲーターに認められる、という設定もあるが、3人のこれまでと今の能力をもう一度整理できる良い機会となる回であり、3人それぞれの良さが色濃く出たと思われる。
 連携が取れているところや、合間に挟まる仲のよさを示す会話から、3人の絆の深さも表現され、今後の活躍がますます楽しみになる回だったと思う。

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