【深読み】旧H×H13話

第13話「賛成×反対×おとし穴」

※注意点
このシリーズはハンターハンターのアニメを深読みして、自分なりの感想をまとめたものになります。
そのため、主観的な意見が多く、証拠や根拠はあまりありません。
私が見て感じたことや気づいたこと、大切だと思ったことなどを正直に書いているだけのものですので、
十分理解した上で読まれることをおすすめします。
こういった感情や見方で見る人もいるのだと思っていただけたらば幸いです。

Aパート

・ロッククライマー(冨樫先生のお声)の受験生が壁を降りて攻略するといい出す。
 ここで、キルアは前を通る彼のために足で支えていたスケボーをさりげなく後ろに引いてやる。人柄の演出も兼ねているのかもしれないが、このような細かな動きを入れてくれるのが、何度見ても面白いと感じられる部分だと思われる。作画コストなどを考えれば、スケボーを持たせてしまう方が早そうだが、「手分けして探すんだ」とのクラピカの言葉にも、探しにいくのにスケボーを使っているところが、持っているよりもキルアらしさが出ていてとても良い。
 自分たちが作画を楽にしたいからカットする、キャラがやりそうにないことをさせる、などがなく、むしろ「このキャラクターなら、こういう動きをするだろう」という熱意が感じられ、細かい配慮がわかる部分だと言える。

・ゲレタが入り口を見つけてしゃがみ込む。
 このカットはロングで見せており、手前に人の足が写りゲレタの様子が一瞬わからなくなる。その後ゲレタは消えているという演出。これもとても良い。きちんと見ている人にしかわからないが、そのようなシーンが多いからこそ旧は隅々まで見たくなってしまう。そして、このゲレタがいなくなっているシーンは次のカットのクラピカのセリフ「人数が減ったな」にもつながる。地味だが、地味ゆえに見応えがあり、流れも非常に滑らかなシーンである。

・ゴンが見つけた扉。
 「いくつかは罠かもしれない」と推測するクラピカだが、「罠にかかっても恨みっこなし」と4人とも臆さずにこの扉を使うことにする。互いの信頼感がよく出ているシーンだ。また、この後の4人が一斉に降りるカットは非常に見応えがある。ロングカットが3回入り、そこから4人のジャンプを切り取り、カメラを回転させ、その上全員がバラバラの落ち方をする。個性をうまく演出している。着地の仕方もしっかりキャラクターごとに違うのも細かい配慮が感じられる。
 とてもワクワクドキドキさせられるし、だからこそ、次のカットの「結局みんな同じところだった」というオチに余計笑わされてしまう。
 緊張を与えて盛り上げ、オチをつける。短いシーンであるにも関わらずうまくまとまっている、味のあるシーンだ。

・多数決の道を選んでしまい、残り1人を待つ4人
 ここでもしっかり個性が出された描き方をしている。
 イライラしてしまうレオリオは歩き回り、冷静なクラピカは休むようなポーズ。キルアは退屈そうで、ゴンは何も気にしていない。ゴンが特に普通でいられるのは、山育ちなところと、釣りをよくするため「ただじっと待つだけ」という状況に慣れきってしまっているのもあるのだろう。

・トンパが降りてきて、道がスタートする。
 トンパがわざとバツを押したのではとレオリオが絡む。今までのことを考えればレオリオの反応もわからなくはないが、冷静なクラピカ、おそらく本当に何も気にしていないゴン、釘をさすキルアでやはりバラバラな対応。キャラクターをよく理解し描写してくれているのがここでもよくわかる。
 また、キルアのことはトンパはすでにただのガキではないとわかっているため、キルアに不敵な顔を見せられ、少し怖気付く。レオリオはみんなから言い含められ、まだ不服そうだったが、ここでは納得する。

・右を選ぶか左を選ぶか。
 行動学についての知識を発揮するクラピカに注目がいってしまうが、それ以上に、キルアとトンパがその行動学の心理に関しての知識があったのが面白い。暗殺者であるキルア、人を裏切り騙してきたトンパ、人間を相手にしてここまで生きてきた2人だから、人間の行動学や心理学については詳しいのかもしれない。調べたからというより、人伝や、経験から身についた知識ではあると思われる。
 冷静で物事をよく分析、考えられるクラピカ、人の裏を読むことに長けているキルア、自身が騙し合いの世界で生きているトンパが右を、複雑なことは考えず、行動あるのみのレオリオやゴンは左、とここでも性格がよく表れているシーンだろう。

Bパート

・囚人たちとの一対一の勝負になる
 屈強そうなベンドットに怖気付くレオリオは「だから俺は左に行きたかった」と述べるが、クラピカは冷静に「左はもっと厳しかったかもしれないぞ」と嗜める。
 こればかりは結果論ならなんとでも言えるが、過ぎてしまったことをあれこれ考えるのは全く無意味だということをクラピカは教えてくれる。壮絶な過去のあるクラピカだから似合うし説得力のあるものといえよう。

・ベンドットとの一戦
 誰がいくかで、ゴンが「オレがいく」とすぐに言う。物怖じしないのは、ただゴンはこの状況を楽しんでいるからだともとれる。もしくは、一対一の真剣勝負を早くやってみたいと思っているからかもしれない。あのヒソカと対峙しても恐れることがなかったゴンだ。ベンドットが屈強そうだからといってだからなんだ、という感覚があるのかもしれない。
 そこをクラピカが制す。ゴンには不利だから私が、と言うことだが、レオリオがそれを聞いてクラピカを止める。「しかし私には武器がある」と言い返す。武器があるから少しは勝算があり、またそれに加えゴンの身を案じていることもわかる。クラピカの冷静な判断力や考え、仲間想いな部分がわかるシーンだ。
 「ビビってんならオレが行くぜ」とのキルア。キルアの正体を知っている今、視聴者側的には、キルアを心配する者よりも、早く戦闘シーンが見てみたいと言う考えを持つ人が多いだろう。少し期待をしてしまう言葉でありシーンである。
 しかし、キルアを止めて前に出たのはトンパだった。それを本当に大丈夫なのか、と言う目で見るクラピカと本気で言ってるのか、と困惑するキルア。のちの発言からも「お前は絶対無理だろ」と言う考えがあるのはその表情でよくわかる。
 トンパの説得を一通り聞いた後、キルアが「やらせりゃ良いじゃん」と静かにトンパを見る。トンパはキルアを怖がっていることに加え、見透かされたようで目が泳ぐ。キルアの釘の差し方は強烈な効果があったと言えるだろう。

・デスマッチをすることになるトンパ
 慌てるレオリオとクラピカ、大丈夫だとのゴン、そして見照ればわかると冷静なキルア。一人一人の個性がまたも表されている。旧はこのようにキャラクターの性格を活かしたセリフ、表情、表現が多く、そこが魅力であり素晴らしい。
 また、ここのシーンでキルアの言葉に微笑むゴンがロングカットで見ることができる。細かい描写ながらも、キルアを信頼していることがわかる良いシーンだ。

・一瞬で「参った」を宣告するトンパ。
 あのキルアやクラピカでさえ、ポカンとした表情なのが面白い。
 戻ってきたトンパを怒る面々にトンパは「試験に求めるものは合格ではなく、死の瞬間を楽しむこと、舌っ棒の顔を見ること、それが生きがいにもなっている」と述べる。
 ヒソカとも少し似ている部分ではあるが、人の死を楽しんでいると言うどうしようもない人物として描写されている。
 このシーンがあるから、次のキルアとゴンのシーンが活きてくる。
 キルアは「おっさん、あんたまるでバグだぜ。オレバグるゲーム嫌いなんだ」と詰め寄る。「失格になるぞ」との言葉にも「構わない」と迫る。表面には出していないが、気に食わないやつだ、と言うキルアの感情がよくわかり、迫る描写は本当に殺してしまうのではとハラハラさせられる。
 しかし、そこでゴンが「トンパさんの言うとおり4対1なら勝ち進めるじゃん」とあっけらかんと述べる。そのゴンを見て、キルアはトンパに詰め寄るのをやめる。
 誰もがトンパの言葉に不愉快になる中、ゴンだけがトンパを気にしていない。そしてその真っすぐさが全員を落ち着かせる。キルアは殺そうとし、ゴンは気にしない。この対比が美しい。そして魅力的なシーンだ。

・セトカンが出てくる
 ゴンが行くことになり、幕を閉じる。

まとめ

 今回で印象的なのはやはり個性的なキャラクターの細かい描写だろう。
 キルアのスケボー、それぞれの行動の仕方、落ち方や着地の仕方、発言の中身、どれをとってもキャラクターそれぞれを感じられる素晴らしい演出であったと言える。キャラクターたちそれぞれを感じたい時見返したい話だといえよう。

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