【深読】旧H×H9話

第9話「メンチ×マジギレ×二次試験?」

※注意点
このシリーズはハンターハンターのアニメを深読みして、自分なりの感想をまとめたものになります。
そのため、主観的な意見が多く、証拠や根拠はあまりありません。
私が見て感じたことや気づいたこと、大切だと思ったことなどを正直に書いているだけのものですので、
十分理解した上で読まれることをおすすめします。
こういった感情や見方で見る人もいるのだと思っていただけたらば幸いです。

Aパート

・メンチとブハラの登場
 物語で初めて「美食ハンター」が出てくる。
 料理が課題だと聞いて動揺する受験生。
 ついに喧嘩や文句が出始め、ハンゾーは「うぜーな、ったくよぉ!うだうだ言う奴はまじ帰れよ」と怒鳴る。のちのキルアの合格不合格についての議論の最中も脱線しつつあった話し合いの時にも、ハンゾーは「さっさと帰りたいんだけどな」と述べており、これらの描写から察するにハンゾーは集団のいざこざが嫌いとわかる。
 いちゃもんをつけ、相手を煽ったりするような、まさに(これものちの話でハンゾー自身が言うのだが)集団を統率する力、「和」を乱す者が許せなかったり、癪に触るのかもしれない。

・「こんな試験があるとはな」とクラピカ
 美食ハンターが存在し、活躍することを知っていても、まさか試験に関与してくるとは考えていなかった様子だ。

・「卵かけご飯」が得意料理だと嬉しそうに言うゴン。
 クラピカは「まぁ、それも料理と言えなくはないが」といい、キルアは一瞬呆れるも笑いかける。「今度食わせてもらうよ」とレオリオがいえば、「私も」と笑うクラピカ。
 4人の仲良しさが伝わる、非常に和む良いシーンだ。ゴンの純粋さ、フォローに入ってくれるクラピカ、「やっぱり変なやつだ」と思っているのか、優しく見守るキルア、突っ込みつつも最後は「食わせてもらう」と優しい言葉をかけてくれるレオリオ。
 初期の中でも一位二位を争うほどには好きなシーンである)

・まずはブタの丸焼きが課題に。得意な瞬発力と跳躍力でブタの背に乗り、偶然弱点を叩くゴン
 ゴンの並外れた身体能力があってこその芸当で、グレイトスタンプの背に乗れたのだとわかり、それゆえ仕留められたと言えるだろう。それからすぐにレオリオに弱点を教えてあげる。レオリオは引っかかって倒れた原因の蔓を瞬時に利用することを思いつき、それでブタの動きを止める。うまく頭の回転を働かせており、基本的に頭は良いのだとわかるシーン。

・ハンゾーは忍者ならではの方法で仕留める
 ハンゾーの実力であれば、ゴンがやったように頭上からでも楽々仕留められそうだが、あえて忍者のスキルを使って見せることで、視聴者に対しハンゾーの「実は俺忍者なんだよ」というセリフが真実だとわからせている。また、クラピカのシーンを入れずにハンゾーが仕留めるシーンを入れたのは、この話の肝になる人物であるからかもしれない。

・キルアは仕留めるところを映さない
 まだ、キルアのしっかりした戦闘に関するシーンを隠すことで、この後に待つ衝撃的なシーンの数々を印象に残す狙いだろうか。あえて何も見せない、と言うのも上手い演出だといえよう。

・サトツがブハラに対して「彼は本当に美食ハンターなのでしょうか」と述べる
 ブタの丸焼きが出来上がり、次々と食すも、何でもかんでも「うまい!」と評価するブハラ。彼の場合、自然調理がされたものが好みなのかもしれない。次の話でもわかるが、彼の戦闘能力は申し分なく、1人でジャングルの奥地にて巨大な獣を狩ることも可能だろう。細かいことをジャッジすると言うよりも、自分の舌を満足してくれればそれでいいタイプで、レストランで凝った料理を食べるよりも、素朴なものの方が好きなタイプというべきか、(もしくは両方か)とにかく「食べること」自体が好きなあまり「美食ハンター」になったのかもしれない。

・ブハラが食べた量についてクラピカは「おかしい!妙だぞ。明らかにあいつの体積より、食べた量の方が多い」とのべ、レオリオは「いや、そんなマジに悩まれても」と冷静に呟く。
 論理的にしっかりと筋道を立てて考えたい思考と目の前の現実に少々戸惑うクラピカ。そこに瞬時のレオリオのツッコミが入る。良いコンビネーションが生まれつつあることがわかる。

Bパート

・メンチの課題は寿司。戸惑う受験生の中、クラピカは文献で読んだことがあるという
 さすが知識の量においておそらく勝るものはいないクラピカだ。0巻でも勉学に励む様子が描かれ、ノストラード邸へと行く道中には小説を読み、新アニメでは三次試験の待ち時間を消化する部屋でそこにあった本をほとんど全て読破していた。
 彼のすごいところは、読むだけではなく、きちんと内容も頭の中にインプットされているところだろう。クラピカの幼い頃からの努力の賜物や才能もあるのかもしれないが、とにかくクラピカの豊富な知識がここでも役に立っている。

・レオリオの大声により魚がメイン食材とわかり、受験生が取りに向かう
 囲いに追い込むハンゾー、得意な釣りを使うゴン、泳いでとるレオリオ、自慢の鋭い爪(ここではうまく隠しているが)ひと突きのキルア、そしてまさかの口で仕留めるヒソカ。
 魚の取り方一つで個性豊かな表現を可能にしている。このような場面が細かに挿入されていることで、エピソードが面白く仕立て上げられているのだろう。

・一番乗りのレオリオ
 メンチに出した料理は生きた魚が丸ごとご飯に巻かれたもの。およそ料理とはいえない。
 「食えるかー!」のメンチに完全同意するしかない。

・二番目のゴン
 用意されていたのは、魚一匹をご飯でまいたもの。
 「403番とレベルが一緒」と告げられてしまう。
 「レオリオと同じレベルか」と嘆くゴンに、「心中察するぞ、ゴン」と肩に手を置くクラピカ。
 レオリオには一緒にされたくないゴンが少し意外なものの、子供心ながらにこれまでのレオリオの失態を見て同じ扱いにされたくないという気持ちがあるのかもしれない。

・キルアの番
 キルアは「小エビのカクテル、マスのマリネのからしソース和えとライス。寿司のブルゴーニュ風」と自身ありげに見せるが、「気色悪い」と投げられてしまう。
 ここではさりげなく、キルアが一般家庭とは違う料理を普段から食していることがわかり視聴者には「お金持ちの子なのかな」との印象を持たせられ、キルアが他の3人と違うというところが面白い。
 ちなみにヒソカも同じものを作っていたようで、石を投げて拗ねている様子も、ヒソカの貴重な笑えるシーンとなっており、面白い。

・こうなったら、と論理的に考察するクラピカ
 一つ一つを慎重に考察し、かなり良い発想まで辿り着く。
 しかし、出来上がったものはゴンと全く同じ料理。包丁で何か切っていたものの、もはやどこに使われたかもわからない(添えられたレモンか)。ちなみに包丁は放り投げているのも面白い。
 結果はレオリオと同レベル判定。かなりのショックを受けるクラピカは顔色まで変わってしまう。
 クラピカのプライド的にレオリオにだけは同じ扱いをされたくないのだろう。

・ハンゾーがついに形が完璧な寿司を持ってくる
 自信満々だったが、メンチからは「美味しくないわ」と突き返されてしまう。
 そこでハンゾーは動揺し怒りのあまりつい作り方を大声で言ってしまい、さらには「お手軽料理」「味に大差ない」と口を滑らせてしまう。メンチはそれを聞いて怒りが頂点に達してしまう。
 メンチはシングルの星を持つハンター。味にも妥協は許さないものの、料理の真髄も極めたハンターだ。寿司の奥深さを舐められて抑えられなかったのだろう。彼女がシングルを持っているのも、そのような、料理を敬う気持ちがあるからかもしれない。

・ついにお腹いっぱいになってしまうメンチ
 合格者はなし、と言われ怒りを露わにする受験生たちでエピソードは幕を閉じる。

まとめ

二次試験は随所に笑えるシーンが散らばっていて、見ていて非常に楽しく面白い。また、アニメならではのシーンも加えられているため、原作をさらに良いものに昇華しているのが面白さを底上げしていると思われる。何度見ても笑えてしまう、大好きなエピソードの一つだ。

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